ぺむたとピスタット

ぺむたとピスタットの交換日記

龍がいる

踊れないふりは得意だやっと来たピーチウーロン底が甘いな


分針の早さくらいで落ちて行く 気づけば馬はネズミに変わる


自販機のひかりに惹かれ海底をひらひら進む魚になった


深海に届いた青い雨粒に含有される龍の呼気量


転がったコーヒー缶のぬばたまが地球の染みになる 蟻もなる


地中から飛び出したペンギンたちがすぐ溶ける日々 彼が目覚めた


原因を知らないおれの目の前に広がる瞳 海に似ている


境界で踊るダンスは間延びしてどちらも夢でシンクロしてた


雷鳴に火を持ち込んだ風の罪 火星の意思として廻る罰


虹色の鱗が指している東 いつもの朝はそこにあるはず


朝焼けに染まった部屋の中心に目覚めたはずだひやりうかんで


とりあえず靴下履いて呟いてみる「龍がいる!」現実にいる


ひそやかに体感気温が下がるよな 気配 けど ぼく 外に出ていく


イチオシのマーボードーフ食いながら家で冷えてる茄子が恋しい


覚悟とか恐ろしさとか感覚に名前をつけた人よ、幸あれ。


この部屋の暗さに慣れていたけれど勝手にコレを受け入れるとは


神話なら神話でいいさ
太陽のため息が来て
北のオーロラ

寝て起きてとうとう夢が示す「君しばらくこれを抱いていよ」と


金色に時は光ってその裏の小路は雪におおわれていた


茄子として生きた生命(いのち)を喜びに満ちて取り込み龍を吐き出す


豪快でなくて正解早朝の蜘蛛が網張るみたいに歩く